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化学物質過敏症で提訴 元勤務先など相手取り1700万
化学物質過敏症:後遺症、初の労災認定 神奈川の男性、眼球運動障害で
化学物質過敏症:後遺症、初の労災認定 神奈川の男性、眼球運動障害で


化学物質過敏症で提訴 元勤務先など相手取り1700万
 
防護マスクなどの安全対策が講じられないまま有機溶剤を使って作業し、化学物質過敏

症になったとして、茅ヶ崎市の男性(40)が26日、当時の勤務先など2社を相手取り、

約1700万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。

 訴えられたのは、電力制御装置製造会社「日本システム」(綾瀬市)と、半導体製造関

連会社「カナメックス」(厚木市)。

 訴状では、男性は1990年4月に日本システムに入社し、2000年11月からカナメッ

クスの作業場に出張して電気配線の固定作業などを担当。作業では、防護マスクや手

袋などの着用が必要な有機溶剤が接着剤として使われていたが、男性は両社から有機

溶剤の有害性を知らされず、安全対策も取られなかったことで体調を崩した。02年2月

に「化学物質過敏状態」などと診断され、眼球の運動障害も後遺症として残ったとしてい

る。


 厚木労働基準監督署は03年9月、男性の中枢神経機能障害などを労災と認定する

一方、化学物質過敏症という病名が無いことを理由に治療費の支給を認めなかったが、

09年10月、改めて眼球の運動障害を後遺症と認定し、約350万円を一時金として支

払っていた。

 男性の代理人弁護士は「化学物質過敏症に罹患(りかん)させた企業への賠償責任が

認められれば、全国の患者救済へ大きな一歩になる」としている。

 カナメックスは「見解の相違があり、裁判で主張を尽くしたい」とコメント。日本システム

は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」としている。

(2010年5月27日 読売新聞)
化学物質過敏症:後遺症、初の労災認定 神奈川の男性、眼球運動障害で
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