最先端のシックハウス対策
国際ガン研究機関(IARC)は2004年6月の報告書でホルムアルデヒドの
評価を変更しました。
carcinogenic to humans
Formaldehyde, 2-Butoxyethanol
and 1-tert-Butoxy-2-propanol
IARC報告書(英文)
(Vol. 88, 2-9 June 2004)
普通の毒性はある量以上摂取しないと身体に影響を与えないものです。
許容量がある(閾値(しきいち)がある)のです。しかし「発ガン性」はいかに
微量であってもそれに応じて癌が発症します(閾値がない)。すなわちその
存在がゼロでないと、発ガン率はゼロにできない。
そこで発ガン物質の規制値は生涯暴露によるガンの死亡率で決められて
いて、職業性曝露では「1千人に1人(10-3)」、一般暴露では「10万人に
1人の死亡(10-5)」または「100万人に1人の死亡(10-6)」という危険性
レベルが使われます。「10万人に1人」の死亡率とは、日本の人口を約1
億2500万人とすると、平均寿命を80年として生涯曝露すると、年間の発が
んリスクの増加が
125,000,000×10-5÷80=15.6人となり、
ガンの死亡者が毎年16人増加する計算になります。
ホルムアルデヒドの発ガン性の動物実験では非常に低濃度で発ガンして
いて、それを人間に当てはめると、厚生省によるホルムアルデヒドのガイド
ライン値では、危険性レベルは「10人に1人」という高レベルとのこと。この
レベルを日本に当てはめると、毎年15.6万人がホルムアルデヒドによる
ガンで死亡する計算になるそうです。(以上、危険性レベルについては圓藤
陽子「環境基準−労働現場と住宅」『大阪保険医雑誌』1999.6による。)
ここ数年のデータを見ても頷けます。
日本人の死亡原因の第一位はガンですが、ガンによる死亡者の内
肺がん(気管、気管支を含む)による死亡者がここ数年第一位となってお
り、更に年々増加の一途をたどっている。
厚生省のガイドラインをクリアした家に一生住むと、毎年10人に1人ずつホ
ルムアルデヒドによるガンで死亡するということです。これは驚きです。 あ
なたはそんな家に住みますか?・・・いいえ、住んでいるのです。
厚生省のガイドラインは「刺激性」を基準につくられています。発ガン性につ
いては「健康住宅研究会」の報告でも触れられていますが、それにもとづい
た規制値を示した訳ではありません。発ガン性を考慮すると非常に低い数
値にしないといけない。しかしそれでは業界が困ります。だから政府(厚生
省・建設省等)は業界を考慮して発ガン性の観点を外した数値を示したと
いう見方もできます。
厚生労働省による室内環境指針値は0.08PPM(100μg/m3)です。
カリフォルニア州の公共建築や学校を作る際の建材選びで求められる基準
ではホルムアルデヒドの閾値は(16.5μg/m3)です.。
早期に発がん性を基準にしたホルムアルデヒドの規制値の設定が望まれ
ます。
無垢の木材を使えば安心だとお考えの方もいらっしゃいますが、天然の木
材も高温多湿になる地域の木材は、木が自分を守る為にホルムアルデヒド
などを作り体内に溜め込み腐朽菌や害虫からの攻撃に備えているのです。
湿度が上がれば加湿分解して室内に放散され、室内を汚染し、高気密の
家ではいつまでも汚染が続きます.
有害化学物質を防ぐ方法は幾つかあると思いますが、コスト面と施工性か
ら封止効果のある塗料で有害化学物質を封じ込め、健康を守る事を提案し
たいと思います。
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